動画圧縮標準規格H.266/VVCとは?H.265/HEVC、AV1と比べてその違いは?
要約: 今になったら、WindowsでもMacでもデフォルトでサポートされている動画圧縮規格にはH.266(VVC)コーデックがあります。次世代映像符号化方式としてH.266/VVCはいったい何でしょうか。え?H.265/HEVCとAV1に比べてはどうなるのと素人でも興味を持っているでしょう。ではそれについてできるだけわかりやすい言葉で紹介します。
目次
今になったら、WindowsでもMacでもデフォルトでサポートされている動画圧縮規格にはH.266(VVC)コーデックがあります。次世代映像符号化方式としてH.266/VVCはいったい何でしょうか。え?H.265/HEVCとAV1コーデックに比べてはどうなるのと素人でも興味を持っているでしょう。ではそれについてできるだけわかりやすい言葉で紹介します。
H.266/VVCについて
概念
H.266/VVCは新しいグローバルビデオコーディング規格で、H.265/HEVC(High Efficiency Video Coding)を超える次世代映像符号化方式です。
開発の背景
独フラウンホーファー・ハインリッヒ・ヘルツ通信技術研究所(HHI)は、情報通信技術の標準化に参画して、産業パートナーに合わせて、2020年にH.266(VVC)という新しい応用例を創り出していたという。
先駆者となるフラウンホーファーHHIは、移動通信・光通信のネットワークとシステムに主眼を置いて、また映像信号の処理と符号化に関する開発において世界的先端に走っていて、技術化のイノベーションに取り込んでいます。
名前の由来
2つの標準化団体と共に開発されたので両チームの呼び方を併記して規格の名前を付けるのが常例であることから、H.266/VVCもその例に洩れないのです。
「H.266」は、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)のVCEG(Video Coding Experts Group)から付けられています。
「VVC」は多彩多様の意味合いを持っているVersatile Video Codingの略称として、標準化団体であるISO/IEC JTC 1のMPEGワーキンググループによる呼び方です。
正式名称としてMPEG-I Part3 VVC となっています。
メリット・特徴
- 次世代映像規格としてH.266/VVCが普及されたら、ハイビジョン産業に関する業界では変革期に突入しています。リアルタイムコーデックH.266/VVCを通して、高臨場感のある4K/60fpsの映像伝送に成功することが可能になって、4k・8k映像の基石といえば過言ではありません。
- これまでのコーデックと比べては高い圧縮率を下げることができて、特に前身のH.265コーデックより約50%の性能を向上できます。高効率で高い解像度の動画を楽しめます。
- SD・HD動画、360度パノラマ映像、HDRビデオ、画面共有コンテンツ、4K・8K映像などにも対応しています。
デメリット・未来像
- オープンソース、ロイヤリティフリー(ライセンス無料)を誇っているAV1コーデックと違って、H.266/VVCコーデックはライセンス有料のタイプです。4k・8k映像を促進できる一方で、ライセンス・特許の乱れをもたらす可能性が高いです。H.266が広がっているまでかなり時間がかかります。
- 確かに高圧縮率で知られますが、エンコード時間が何倍もかかります。ハードウェアアクセレーションやデコーダーを搭載しているH.265/HEVCとAV1コーデックより、同じ条件でH.266はエンコード時間を何倍も長くすると、処理負荷の天井に達することがありえます。
ちなみに、ハードウェアアクセラレーションは英語のhardware acceleratorからの由来で、もともとは加速の意味です。ITの分野になると、機器やシステム、ハードウェアなどの特定の機能の性能を向上させて、処理能力や通信の速度を高めることをさします。
ハードウェアアクセレーション(GPUアクセラレーション)技術を活用することで、処理時間を短くすることができます。そのうち、Intelの「Quick Sync Video(QSV)」、NVIDIAの「NVENC」、AMDの「Video Codec Engine(VCE)」のようなGPUアクセラレーションソフトはおすすめします。
3.ハイスペックなパソコンが不可欠です。
H.266/VVC、H.265/HEVC、AV1コーデックの比較
比較 |
H.265(HEVC) |
AV1コーデック |
H.266(VVC) |
リリース |
2013年 |
2018年 |
2020年 |
背景 |
モバイル端末(5Gも)で動画を視聴したい インターネットにおける映像トラフィックの膨大 臨場感に対するニーズ 地上波による4k8k放送に対する期待 |
HEVCの権利関係の複雑さと不透明さ、ライセンス料の高騰への反抗 |
HEVCの後継と発展 |
開発元 |
アップル社 |
Googleが開発した符号化規格「VP9」に基づいて新しい映像符号化方式として「AV1コーデック」は非営利組織であるAlliance for Open Media(AOM)に開発された |
Joint Video Experts Team (JVET) |
参加メンバー |
キャノン、三菱電機、日本電信電話、NTTドコモなど |
Amazon、アップル、ARM、シスコ、Facebook、Google、IBM、インテル、マイクロソフト、Mozilla、NVIDIA、Netflixなど |
Apple、Ericsson、Intel、Huawei、Microsoft、Qualcomm、Sonyなど |
構成要素(要素技術・圧縮アルゴリズム) 符号化ブロックの構造、イントラ(画面内)予測、インター(動き補償)予測、直交変換、量子化、ループフィルター、エントロピー符号化/復号を採用 |
4×4と32×32の間でブロックサイズの整数DCTとDST変換 |
輝度予測をもとにする彩度決定法 (CfL) intra-prediction(フレーム内予測) DCT、ADST、WHT |
離散コサイン変換(DCT)、タイプII DCT (DCT-II)、タイプVIII DCT (DCT-VIII)も使用 |
ビットレート |
HEVCを参考値とする |
HEVCより30~43%ほどビットレートを削減 |
HEVCより50%ほどビットレートを削減 |
データ量 |
参考値 |
約60%に抑えられる |
約50%に抑えられる |
圧縮率(ファイルサイズ) |
参考値 |
HEVCより30%程度の圧縮効率を実現 |
HEVCより50%程度の圧縮率を実現 |
エンコーディング時間 |
参考値 |
約3倍の時間が必要 |
約6.5倍 |
デコーディング時間 |
参考値 |
今はほぼ同じ |
約1.4倍 |
ライセンス料 |
有料 |
無料 |
有料 |
利用 |
4K8K衛星放送 |
ストリーミング配信 (英語のstreamが語源で、「流れる」的な意味で、オンラインページで動画をただちに楽しめる) |
次世代地上放送向け インターネット経由の映像配信サービス |
汎用性 |
H.266よりH.265のほうが主流 |
H.266より汎用性が高い |
広がると見込み |
用語説明
トラフィック:インターネット上を流れる情報量で、データ通信量の意味です。データ量が膨大になると、通信速度が遅くなって、速度制限にかかっていることになりがちです。
DCT:元画像を圧縮しやすくなる基本的な変換技術です。
ビットレート:単位時間あたりのデータ量をさします。解像度、画質などに関係があります。
エンコード:「符号化」「暗号化」「記号化」などの意味で、簡単に言うと動画の容量を圧縮したり、視聴が可能な動画形式に変換したりする作業です。
デコード:復号処理の作業です。符号化されたデータを元に戻す意味です。
H.266(VVC)に対応しているDVDFab 動画変換をおすすめ!
DVDFab 動画変換はその名前とおり、H.266だけではなくてH.265もAVも対応している動画変換ソフトです。ぜひ試してください。
メリット
1.全機能体験版、無料版、有料版があると同時に、各バージョンの比較表が具体的に用意されます。
2.動画編集・変換を一体化して、多方面からニーズに合わせることができます。
3.Enlarger AIと連携するから、動画を高い解像度で無劣化に復元できます。
4.対応するデバイス、動画ファイル形式が多様で、便利です。
使い方
1.そのアプリを起動してから、「変換」の画面に入ります。「+」ボックスに動画ファイルを入力して、読み込みます。
2.「デバイス」、「フォーマット」を設定して、出力形式を自由に選択してください。YouTubeなど直接に投稿してもサポートされています。
カット、オーディオ、字幕ストリームのような出力設定項目を自由に編集できます。
また、動画からオーディオファイルを抽出してほしいフォーマットに出力したり、動画から音声に拡張子を変換したりすることもできます。
4K・8KまたかH.265(HEVC)、H.264など高品質の圧縮規格にも対応します。
動画を編集・変換してから、動画ファイルの出力元を変えてください。
3.「タスクリスト」ツールバーに動画の進捗状況が見えます。そこには入力元、オプション、出力形式、ステータスが明らかにします。ほかにも、複数のタスクがあっても一括でバッチ処理できます。100%になったら、「後で続ける」ボタンをクリックして完成します。
圧縮作業をすると、動画規格のH.266(VVC)、H.265(HEVC)、AV1コーデックはありふれていますよね。それぞれの違いを背景、要素技術、ビットレート、データ量、圧縮率、エンコーディング時間、デコーディング時間から説明しました。それに基づいて、自分にとって適切な映像符号化規格を選んでおきましょう。いいねとほめされたら、うれしいと思います。